たゆたうまどろみ


ウッドロウが異国から届いた手紙を読み終えて丁度胸元のポケットへしまいこんだ時、ベッドの上で眠っていたジョニーが目を覚ました。部屋の暗く灯した明かりに、それでも眩しそうに細く目を瞬かせ、短くない時間夢と現の境を彷徨ったようだ。
「ジョニーさん」
完全に覚醒したのを見計らって、ウッドロウが優しくその名を呼んだ。船の中で意識を失った後、ジョニーが目覚めたのはこれが初めてというわけではない。目を開けた瞬間があったがウッドロウの顔を見て声を聞くとスルリと眠りに落ちたということが二度ほどあった。ウッドロウの方も無理に覚醒を促さなかったのであれから2日経った今こそがジョニーの目覚めの刻である。
「ああ」
ウッドロウの顔を認識したジョニーが掠れたため息を吐く。
「喉、渇きませんか」
ウッドロウは落ち着いた優しい口調でジョニーに語りかけ、水差しを口元へ近づけた。ジョニーは勧められるままに口を開き水分を受け入れる。久しぶりの冷感が喉に心地よかった。入っていた分を飲み干すと水差しが遠ざかり、ジョニーはウッドロウの顔を見る。それに気づいたウッドロウが慈愛の笑みをジョニーに投げかけた。世界で一番綺麗な笑顔を今は自分ひとりが独占しているというのに、ジョニーは哀しくてたまらなかった。自分が今ウッドロウのそばにいるということはフェイトとの勝負に敗れたことを意味し、この病気が治ればウッドロウとの長い別れが待っているからである。

どんな理由であったとしてもお前が任務を果たせなかった場合は、今後俺が許可するまでアクアヴェイルからの出国は禁止する。勿論、そうなったとしてファンダリアから戻ってこなかったら地の果てまでも追いかけて連れ戻し、態度によってはその後軟禁することも辞さない。

憎しみを向けられたかのごとく表情でフェイトから告げられた条件。ああこれは大王としての権限を全て使っても行使されるだろうなと思ったものだった。だからこそジョニーは失敗するわけにはいかず無理をしてでも達成しようとしたのである。後一歩のところで阻まれたのがよりによって今回の理由である恋人だったから余計に皮肉だ。しかし元はと言えば――休む暇も無い程の膨大な仕事を与えられてほとんど不可抗力とは言え――体調管理ができず挙句ぶっ倒れた自分の不甲斐無さが原因だし、あのままウッドロウに引き止められず船旅をしていたら今頃本当にどうなっていたかわからない。
この、自分に対して惜しみなく投げかけられる笑顔はもう拝めなかったかも知れない。
そう思えた瞬間から、ジョニーの内で今まで張り詰めていたものがプツンと小気味の良い音を立てて切れたような気がした。
「命の恩人だ、お前さんは」
唐突に呟かれた言葉にウッドロウは反応できず、ジョニーの顔を覗きこむ。ジョニーは表情を緩めて感謝の言葉を続けた。
「ありがとう、ウッドロウ」
ウッドロウにとってこの世の何より守りたい笑顔は、とても繊細で儚く映った。
「ジョニーさん、私は」
あんなにあなたが必死になって望んだことを飲み込みたかったけど、と続けたかったウッドロウの言葉を全てわかっているかのようにジョニーはウッドロウの言葉を遮った。
「よかったんだ、これで。本当にありがとう。今、こうしてお前といられることが、俺にとっての幸福だ。先のことは・・・また考え直せばいい」
生きてりゃどうにでもなるさとジョニーはやっと吹っ切れた表情を浮かべた。すると目の前の恋人の顔も明るさを取り戻したようだ。ああ、それほどまでに俺は不幸顔になっていたのかとジョニーは思い知った。自分と違って根が素直な彼の表情を見れば今まで自分がどんな顔をしていたのかよくわかる。まるで鏡を見ているのと同じだが、世界一愛している相手から示される反応は実際に自分が浮かべている表情より倍以上の感情で返されているように見えるのである。
「そのことなんですが」
「ん、なんだ?」
何かを思いついたウッドロウだったが、少し間を置いた挙句首を振った。
「・・・いえ、何でもない」
「そんな、言いかけてやめるなよ。何だ?」
「やっぱりいい。たまには私も出し惜しみしてみることにします」
「何だよそれ」
不服そうに口を尖らせたジョニーを見てウッドロウは笑って言い返す。
「ジョニーさんに言われる筋合いはないと思う」
「言うようになったな。ま、それもそうか」
自分が話さないことでウッドロウの傷ついた表情を何度見てきたことか。それでも精神的に大人でどうしようもないことについては諦める術を心得ている彼は必要以上にジョニーを責めることなく耐えようとする。そんな彼に甘えているのは重々承知していてその度に胸が痛むも、やはり上手くいかなかった時のことを考えると昔の自分のかさぶたを剥がされるようで怖い。だけど最近はこうも思う。ウッドロウがそんな自分に愛想を尽かして離れていく方が、もっと。
「なあ、ウッドロウ」
「はい」
「・・・いや」
意を決して口を開きかけたが視線を彷徨わせてやっぱり止める。言いたいし聞いて欲しい、今回の理由を。だがこれっきりウッドロウとは逢えなくなるかもしれないという事実を今言えば、彼はどんな顔をするだろうかと思うと途端に躊躇してしまう。怒るだろうか、悲しむだろうか、それともこれを期に関係の清算を言われるかもしれない。今までも散々勝手なことをして一喜一憂させて、そして今回もう真っ平と思われていても仕方のないことをしでかしてしまったのだから。言わないことで一縷の望みが残されるのであれば――何年かかってもまたウッドロウと逢えるのであれば――口を噤む方をとってしまう。それが一番いけないことだとわかっていても。
「確か、ファンダリアにいられる・・・と、あなたは言った」
「え?」
ウッドロウの言葉にジョニーの胸がドキリとはねた。他の事は忘れたがそれだけは覚えている。
「そんなこと、言ったのか、俺は」
敢えてとぼけてみるが追及されることは目に見えている。だがウッドロウは別のことを口にした。
「今回のことは、いずれ話してくれるんでしょう?だからいくらでも待ちます。その代わり」
ジョニーの瞳をじっと見るウッドロウ。その視線に引き寄せられるようにジョニーもウッドロウの瞳に合わせる。酷く真剣で綺麗な眼差しはジョニーを捕らえて離さない。
「お願いだから、これからはもう少しだけ、私に隠し事をしないようにして。たとえ私にできることがないことだとしても、あなたが独りで苦しむ姿はもう見たくない。・・・見たくないんだ」
そのままウッドロウはベッドの上で横たわるジョニーの胸元へ顔を寄せ、覆いかぶさるように腕をまわした。ジョニーは何日か前のことを思い出す。ああそうだ俺も、ウッドロウが今抱いているだろう同じ切実な気持ちでもって、痩せた彼を抱きしめたんだということを。
「返事は、いただけないのですか」
ジョニーの胸に顔を埋めているウッドロウからのくぐもった声。それを差し引いてもその音には不安が混ざっていた。ジョニーの孤独はジョニーにしかわからない。それに踏み込もうとしている自分は出過ぎた真似をするなと拒否されるかもしれない。今やこの人にはねつけられること、そしてこの人を失うことをウッドロウは何よりも恐れるようになっていた。だから知りたいことが山ほどあっても聞き分けのいい態度を取っていたのである。己の望みとは裏腹に。
「今まで、ごめんな。ウッドロウ」
点滴の刺さっていない方の腕を毛布の中から出して、ウッドロウの背中に回す。そうして暫く重ねていると衣服を通じてじんわりと体温が伝わってきた。
「俺はきっと、口では何だかんだ調子のいいこと言いながら、結局自分が一番大事だったんだ。お前の気持ちを考えているようで、実際には自分の気持ちを守ることに終始していた。恥ずかしいことに・・・今お前さんから願われて、やっとどれだけ俺の酷い隠し癖のせいでお前のことを不安にさせてたのかよくわかった」
自然と背中へ回した腕に力が入る。ウッドロウは胸から顔を離してジョニーの顔を見た。ウッドロウに向けて仁慈に満ちた微笑みを見せるジョニーに、ウッドロウは心の底からほっとする。
「あなたのことをもっと知りたくて、けどそれ以上に拒絶されることが怖かった。だからいつも、どこまで踏み込んでいいのかわからなかった。私も自己の庇護ばかりに心を砕いていたんだと思う」
「お前さんなら土足で踏み込まれても歓迎するさ。どこまでも」
「それは、今だからそう言えるのでは?」
「・・・それは言わないでくれ。反省する」
やや大袈裟にしょぼくれた表情を浮かべるジョニーにウッドロウは笑みを漏らす。それを見てジョニーも何日かぶりに笑顔を浮かべた。
「約束、守るように努力する。だから、その・・・実は今度いつお前に逢えるかわからないんだ」
先程は言えなかった悩みの種が今度はすんなりと口から出たものの、それ以上は言葉をつまらせる。そんなジョニーに助け舟を出すかのようにウッドロウは返事をする。
「大丈夫ですよ、きっと」
「え?」
「大丈夫だから」
何もかも全て了解しているようなウッドロウの口ぶりにジョニーは目を白黒させる。ひょっとしなくてももう自分の画策していたことがばれているのだろうか。いやしかし出国禁止の約束まではいくらなんでも・・・と思いつつ、窺いをたてる。
「なあ、お前さん、どこまで今回のことを知ってるんだ?」
「ノーコメント」
「・・・わかったよ」

***

それから2、3日も経過するとジョニーの熱は下がり始めて身体の痛みがとれてきた。そのおかげでスムーズに寝起きも可能となり、やっと夜も熟睡できるようになった。とは言え、一日の半分ぐらいはウッドロウとあれこれ話し、もう半分はウトウトしているものだから、夜の眠りも多少浅くなる。スノーフリアで静養を始めて5日目、夜明け前に意識が戻りつつあった。まだ暗いから眠ろうと脳の方では思うも身体の方は寝返りをうちたいらしい。しかし何となく身体が動かしにくく、結局その時は夢の世界へ取って代わった。

夢、白く冷たい世界の中、息を切らして港へ向かう自分。苦しくて苦しくて辿り着いた部屋のベッドへ手をつき身を投げ出す。そうしてそのまま――汽笛が鳴り船は動き出した、ようだ。暫くして苦しいながらも起き上がるといつの間にか船室が消失して真っ暗な箱に取り囲われている。狼狽して伸ばした手が壁らしきものに触れるとそこは恐ろしく冷たく、そのままその壁に腕が貫通して身体全部が壁にめり込んでいく。驚く暇もなく、暗闇の箱から己の身体が排出されると足をつけていた地面が無くなってジョニーの身体は落下を始めた。息をすることが出来なくてどんどん落ちる自分。気を失いかけたその前、己の目に飛び込んできたのは、満天の星空だった。彼の、髪の色と同じ――

息苦しさにたまらず目を開ける。額と首筋が汗でぐっしょり濡れているのがわかった。呼吸が荒い。身を起こそうとすると、眠りに引き戻される前と同じ感覚、即ち少しばかり身体が動かし難い。そのわけはすぐにわかった。
ウッドロウが椅子に座ったまま、最初に目覚めて会話した時のように自分の身体を毛布の上から抱きしめていたから。顔は肩の横に埋められていたが片方の腕は身体にまわされていた。程なく、ウッドロウも目を覚ましたようで、起き上がっているジョニーを見て軽く驚いたようである。
「どうか、しましたか」
驚いたとは言え、夜明け前暗闇が少しばかり緩和された状況で辛うじて読み取れたウッドロウの表情はまだはっきりと覚醒しておらずぼやけ気味で、軽く欠伸をしている。
「どうって・・・お前こそ何で、こんなところに?」
そう問いかけながらジョニーはある事に思い当たる。この数日は自分の方が先に眠ってしまうからウッドロウが寝付いたところを見ていない。そして起きた時には椅子に座ってジョニーが目覚めるのを待っていたり、洗面所で何かをしていたりするのでウッドロウがどこで眠っているのかわからなかった。そう言えば、この部屋にはこのセミダブルのベッド一つしかない。ソファはあるが二人がけ程度の大きさで、ウッドロウの体躯だと手や足が大幅にはみ出てしまうだろう。
「ああ、椅子に座ったそのままうっかり寝てしまったみたいだ」
「・・・それを、5日連続で?」
そう鎌を掛けてみるとウッドロウの意識も完全に覚醒したようで、ばつが悪そうに目をそらす。
「そんなことをしたら・・・お前こそ身体を壊してしまうじゃないか。いやそもそも、何でシングルの部屋を」
「ここしか空いてなかったんだ。開閉のできない窓の部屋はね」
「・・・そう、か」
決して責めている口調では無かったが、ジョニーには余計に堪えた。これ以上逃げ出されてはたまらない。そんな思惑もあるだろう。
「平気ですよ。ここは城よりも余程空調が効いていて温かい。それに」
ウッドロウは再び頭をベッドに預け、ふうと一つ息を吐いた。
「久々にこんなにも長い時間、あなたの温もりを得られて・・・本当はずっとこうしたかった」
人前では強健で気概ある国王として鉄壁の仮面を張り付けておかねば国全体の士気に係わる。気の休まる時など本来は父王が亡くなったその日から自分が死ぬまで永久に消失したのであるが、天地戦争が終わった今も仮面を剥がしてくれる人がそばに来てくれて、寄り添おうとしてくれている。
「改めて思った。私の一番の居場所はあなたのそばなのだと」
「ウッドロウ・・・」
間もなくスーっと寝息が聞こえてきた。びっくりする位の早さでウッドロウは再び眠ってしまっている。その珍しくも素晴らしい寝付きのよさにジョニーは思わず喉の奥で笑ってしまう。暫く艶やかな銀髪を愛おしく撫でた後、ジョニーもベッドにもう一度潜り込み眠りについた。
しかしながらジョニーの意識は完全には無くならなかったようである。すぐそばにウッドロウがいることをずっと感じていたかったから。ゆらゆらと夢現の境を彷徨うことが存外に心地よかった。

***

ウッドロウから「大丈夫だから」と自信を持って言われた理由がようやくわかった。

ファンダリアからシデン領へ帰国した直後、フェイトからジョニーを訪ねてきたのである。とりあえず帰国直後で格好がよれよれだったので日を改めてモリュウを訪れ、素直に敗北を認めたうえで死ぬ気で謝り倒してどうにか今後もファンダリア行きを許してもらおうと考えていたのに早くも予定が狂ってしまったようだ。
「おいおい、明日にはそっちへ行って報告する予定だったってのに、どういう風の吹き回しだ?」
明日はきっと大雨だぜ、と開き直って茶化すジョニーだったが、フェイトは到着してジョニーを訪ねてきた時からの神妙な顔つきを変えなかった。機嫌をますます損ねてしまったかとジョニーは焦り、これ以上余計なことは言わずさっさと直球で謝ってしまおうと口を開きかけたと同時。
「フェイト」
「ジョニー、悪かった」
先に、フェイトから謝られてしまった。ほぼ直角に頭が下げられている。
「・・・へ?」
たっぷりと10秒以上頭を下げてからフェイトは身体を戻し、話を続ける。
「ウッドロウ陛下から経過は聞いた。もう身体は平気なのか?」
「あ、ああ」
「そうか。よかった。これでお前に死なれちゃ、俺が殺したようなものだからな。結果的に俺がお前を追い詰めて無理をさせてしまったのが原因だ。すまなかった」
「いや、フェイト、俺は」
「暫くはゆっくり休んでくれ。少なくとも1週間は身体休めて国外へ出るなよ。駐留大使の件は追って辞令を出すから」
「え、それって」
矢継ぎ早だったフェイトの言葉がようやく途切れ、苦笑を浮かべてジョニーの疑問に答える。
「俺の、負けだ」
意外過ぎる言葉にジョニーは固まり、そんなジョニーの様子を見てフェイトは更に表情を崩して付け加えた。
「正直いって、お前があの陛下にこんなにも肩入れしているなんて思わなかった。どうせお前得意のお戯れだと長い間思っていたんだ。けど今回ばかりは違うんだって痛いほどわかった。お前が幸せならそれでいいさ。その分しっかり働いてもらうから覚悟しろよ」
「ちょっと待て。お前、どんな理由があろうとも期限を破ったら国から出さないって言ってたのに、本当に無罪、放免なのか・・・?」
「え、国から出さないって・・・大使の件は白紙にするとは言ったが、そんなことまで言ったか?」
不思議そうな顔をするフェイトに、ジョニーは思いっきり脱力する。
こいつ、あの極悪な内容の約束をまるっと忘れてるに違いない。
「じゃなきゃ、俺もこんなに必死になるかよ!」
「うーん、あの時正直言って頭に血が上っていたからなあ。細かい約束まで覚えてない。ま、今後はあんまり無茶な要求はしないでくれよ。俺の心臓が持たない」
苦笑してフェイトはジョニーの前から立ち去る。ジョニーはなかなか状況が飲み込めず暫くその場に突っ立っていたがやがて。
「ははっ・・・」
乾いた笑いがジョニーの口から漏れ、何をどう思えばいいのやら思考がごっちゃになったが、ファンダリア行きの件については潰されずに済んだのは事実だ。ほっとしたら急激に腹がすいてきた。
「何か、食いに行くか」
そんな自分が滑稽でたまらなかったが、不思議と悪い気は一切起こらなかった。

***

「で、結局、お前さんはどこまで知ってたわけ?」
アクアヴェイル内で休暇するよう命じられた1週間を経てその後、残りの休暇はウッドロウのそばにいたいが故に再びファンダリアへと向かったジョニーは今、ハイデルベルグ城の彼の私室広いベッドの上、左腕に彼を抱いている。
「何の話です?」
「・・・お前さんも、なかなかとぼけてくれるようになったな」
ジョニーは大袈裟にため息をつき、その様子を見てウッドロウが笑う。
「俺の、情けない武勇伝の件だ」
「先に、あなたが話してくれる約束のはずだが?」
「・・・あんまりいじめてくれるなよ」
ウッドロウの首筋に額を預けて項垂れるも、ウッドロウは笑って取り合わない。
「実は全部知っていました、だったら、本当に情けなくて立ち直れない。滑稽過ぎて、格好悪くて」
「いいんです、それで」
「え?」
顔を上げるとウッドロウがジョニーの目を愛おしく見つめ語りかける。
「そんなあなたも含めて、全てが私の愛するあなたなのだから。無理強いはしないけど、どうか隠さないで。怯えなくていいから」
しばし言葉を失って押し黙るジョニーに、ウッドロウはくさ過ぎたかな、と頬を赤らめて苦笑いを浮かべる。ジョニーは言葉よりも先に、泣き笑いのような表情を見せ、残る右手を動かしてウッドロウの身体を掻き抱いた。そうした後、万感をこめてジョニーは口にした。
「ありがとう、ウッドロウ。愛してる――」
これまでのどれよりも最も重みのあるジョニーの愛の告白が、ウッドロウの胸の奥を熱くさせた。


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タイトル配布元 : 空飛ぶ青い何か。
タイトルから脱線してしまったのは力量不足です。無念。

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